ポケモンレベルの上限開放とXLアメ実装に伴い強化されたチャーレム(通称ムキムキチャーレム)の厳選について、PvPokeを使って検証してみました。
なお、この記事はPvPokeの使用方法を紹介することに主眼を置いていますので、ポケモンを強化するにあたっては自己責任でお願いします。
PvPokeについての詳細はこちら;
PvPokeの使い方 ~応用編~
個体値の検証にあたり、PvPokeの機能の一つである”Matrix Battle“を使用します。
Matrix Battleでは、「複数のポケモン対複数のポケモン」のシミュレーション結果がマトリックスで表示されます。
この機能を利用して、縦軸に個体値厳選の対象であるチャーレム、横軸に対戦を想定するポケモンを並べて一括でシミュレーションを行います。
シミュレータの設定とシミュレーション結果の読み方について
Matrix Battleの設定の手順
①まず”Battle”の画面の右上にある”Matrix”を選びます。
②ポケモンのデータを入力する前に、”Settings Page”で設定を予め行います。
Default Pokemon Preferencesのプルダウンメニューで、”Maximum stat product (Rank1)”を選びます。この設定により、選択したポケモンの個体値が自動的に1位になります。
“Save Settings”ボタンを押し設定を保存します。
左の欄に個体値を検証したい自分のポケモン、右の欄に対戦を想定するポケモンを入力します。
左欄
③+Add Pokemonでポケモン(チャーレム=Medicham)と入力
④ポケモンのCPとタイプの下にある”Advanced Stats/IVs”を開いて、個体値を入力します。
Overallは総合値、Atkは攻撃値、Defは防御値、Level CapはPL上限です。
Maximizeボタンを押すと、選択された条件での1位個体が設定されます。
チャーレムの場合は、”Overall”-“Level Cap 51″の設定で「4-15-15(PL50.5)」が選択されます。
⑤わざ構成を入力します。
検証したい個体を1匹ずつ、すべて入力します。
右欄
⑥”Quick Fill”のプルダウンメニューから”Great League Meta”を選びます。
これにより、スーパーリーグのトップメタ48匹が自動選択されますので、個別にポケモンのデータを入力する必要がなくなります。ポケモンをさらに追加する場合は手動でデータを入力します。
⑦”Options”の上から2番目のプルダウンメニューで”Maximum stat product (Rank1)”を選びます。右欄のすべてのポケモンの個体値が1位になります。
⑧”Options”の上から3番目のプルダウンメニューで”New Buddy Level Cap (51)”を選びます。最大PL51での個体値1位が自動的に選ばれるようになります。
⑨Shields:シールド枚数を選びます。
⑩Bait shields with low-energy moves:ブラフ撃ちするかどうかです。今回は個体値の検証なのでオフでよいでしょう。
⑪Show level & IV’s:PLと個体値が表示されるので、オンにしてください。
以下の通りの設定になります。
“Battle”ボタンを押すとシミュレーション結果が表示されます。
シミュレーション結果の読み方
取っ掛かりとしてまず以下の3つの個体について検証すべく、データを手入力しました。
① XLアメ実装前の1位個体(15-15-15, PL41)
② ①をXLアメで最大強化した個体(15-15-15, PL43.5)
③ XL1位(4-15-15, PL50.5)
シミュレーション結果が表示されます。
シールド2枚ずつの設定です。
4種類の結果が表示され、タブをクリックすると画面が切り替わります。
Battle Rating:対戦の結果が表示されます。数値が500より大きければ勝ち、小さければ負けです。レートの読み方についての詳細は「PvPokeの使い方 – シルフリーグ情報局」の記事をご参照ください。
Breakpoints:わざ1(今回はカウンター)による相手ポケモンへの与ダメージ
Bulkpoints:相手ポケモンのわざ1から受けるダメージ(被ダメージ)
Attack:相手ポケモンとの攻撃値の差。ゲージわざ同時発動の際に先攻が取れるかをチェックできます。
ブレイクポイントの画面に切り替えると、わざ1の1発あたりのダメージが表示されます。今回はカウンターです。
チャーレムの厳選のポイント
それではチャーレムの個体値厳選について詳しく見ていきましょう。
ポイント1:主要なブレイクポイントの確認
以下の個体について、シミュレーションを行います。
① XLアメ実装前の1位個体(15-15-15, PL41)
② ①をXLアメで最大強化した個体(15-15-15, PL43.5)
③ XL1位(4-15-15, PL50.5)
スーパーリーグのメタポケモン48匹+シャドウラグラージを手動で対戦相手に追加しました。誌面の都合上、ブレイクポイントが発生するポケモンをピックアップして掲載しています。
<対戦結果>
<ブレイクポイント>
マトリックスで目に付くのは、ブラッキー、エアームド、ラグラージ、ナマズンに対するカウンターの与ダメージです。
③の1位個体の方が、②の個体よりダメージが1少なくなっています。
これは②の方が攻撃値が高いためで、データを並べると以下のようになります。
IVs | Level | CP | Attack | Defense | Stamina | Overall | |
個体値 | PL | CP | 攻撃値 | 防御値 | HP | 総合値 | |
① | 15-15-15 | 41 | 1449 | 108.1 | 132.8 | 135 | 1939 |
② | 15-15-15 | 43.5 | 1495 | 109.8 | 134.9 | 137 | 2030 |
③ | 4-15-15 | 50.5 | 1496 | 105.3 | 140.7 | 143 | 2120 |
※OverallはAttack, Defense, Staminaの積
1位個体は全体のステータスが高いものの、攻撃値が低いためブレイクポイントに達していません。
それでは、攻撃値がいくつならブレイクするのか?
以下、シミュレーションを利用して調べていきます。
マトリックスの数字の部分をクリックすると、シミュレータに移動します。
チャーレム1位(4-15-15, PL50.5)vs. ブラッキー1位(0-15-15, PL27.5)のシミュレーション結果が表示されます。
シミュレーション結果の下の方に、ブレイクポイントが表示されています。
<表の見方>
Minimum Attack:シミュレート中の相手ポケモン(今回のシミュレーションでは個体値1位)に対するブレイクポイント
Attack to Guarantee:シミュレート中の相手ポケモンの種族すべての個体に対するブレイクポイント(ブレイク確定)
Top Level and IV’s:シミュレート中の相手ポケモンにブレイクする個体の中で最も良い個体の個体値
太字になっている段(上記の表では「6 – 89.46 – 90.36 – 50.5/4/15/15」の段)が、今調べているポケモンが該当しているブレイクポイントです。
ブラッキー1位個体へブレイクするには攻撃力が最低107.35必要で、攻撃力107.35以上で最も良い個体は④7-11-14(PL50)となります。
また、ブラッキーの個体値にかかわらずブレイクが確定する攻撃力は108.43以上となります。
ブラッキーに対するカウンターダメージのブレイク確定はXL強化の目玉ですので、ブレイクが確定する攻撃値である108.43以上を一つの基準とするのがよいでしょう。
<ブラッキーにブレイク確定する個体の調べ方>
個体値の入力画面で”Def”(防御値)を選び”Maximize”ボタンを押すと、防御値が最大の個体(0-13-0, PL28.5)がセットされます。
シミュレータを回すと以下の結果が得られます。
ブラッキーへのカウンターのダメージが確定で7となる個体の中で、最もよい個体は⑤9-9-15(PL49)だと分かります。
自分が持っているチャーレムがブレイク確定の個体かどうかを確認するには、防御値最大のブラッキーを相手にしてシミュレートすればOKです。
ここまでのまとめ
Ivs | Level | CP | Attack | Defense | Stamina | Overall | |
個体値 | PL | CP | 攻撃値 | 防御値 | HP | 総合値 | |
① | 15-15-15 | 41 | 1449 | 108.1 | 132.8 | 135 | 1939 |
② | 15-15-15 | 43.5 | 1495 | 109.8 | 134.9 | 137 | 2030 |
③ | 4-15-15 | 50.5 | 1496 | 105.3 | 140.7 | 143 | 2120 |
④ | 7-11-14 | 50 | 1500 | 107.5 | 136.9 | 142 | 2092 |
⑤ | 9-9-15 | 49 | 1500 | 108.6 | 134.4 | 142 | 2074 |
同様の手順でエアームド、ラグラージ、ナマズンに対するブレイクポイントを調べました。
カウンターの ダメージ |
個体値1位への ブレイク確定 |
すべての個体への ブレイク確定 |
|
ブラッキー | 7 | 107.35 | 108.43 |
エアームド | 5 | 108.22 | 110.18 |
ラグラージ | 7 | 105.82 | 107.77 |
ナマズン | 7 | 105.35 | 106.98 |
図解すると以下のようになります。
※グラフ棒線 左端: 個体値1位へのブレイクポイント
※グラフ棒線 右端: ブレイク確定
ブラッキーにブレイク確定ならラグラージとナマズンにも確定となります。
エアームドについては相手が1位個体なら108.22ですが、ブレイク確定は110.18となり、相手の個体値次第となります。
どこまで攻撃に寄せるかですが、攻撃値にパラメータを振りすぎるとXL強化の恩恵が薄れてしまうため、まずはブラッキーのブレイク確定個体でよいと思います。
※なおステータスは小数点第2位まで表示していますが、ポケモンGOでは第3位以下の端数も計算の対象になっていますので、実際にシミュレータでブレイクしているか確認しましょう。
ここまでの厳選の候補:ブラッキーへのカウンターのダメージが確定でブレイクする攻撃値108.43以上(9-9-15, PL49が1位個体)
ポイント2:被ダメージのブレイク確認
被ダメージについては、上記で取り上げた個体については大きなブレイクポイントはありませんが、チャーレムミラーで相手のカウンターから受けるダメージが3になる場合と4になる場合があります。
ミラーについては下記のポイント3で記載します。
ポイント3:チャーレムミラーへの対応
今後増えるであろうチャーレムミラーについては十分に考慮した方がよいでしょう。同時発動時の先攻についてはマトリックスの”Attack”タブで確認できます。
与ダメージが4、被ダメージが3となる個体が理想ですが、対戦相手のチャーレムの個体値次第なので、攻撃値をどのあたりに設定するかがポイントになりそうです。
チャーレム個体値1位へのカウンターのダメージが4となる:攻撃値108.27以上
チャーレムすべての個体に対してカウンターのダメージ4確定:攻撃値108.59以上
先ほどの表と図にチャーレムを追加してみました。
ミラーチャーレムへブレイク確定する個体のうち最もよい個体は9-9-15(PL49)となり、対ブラッキーと同じ個体になります。
カウンターのダメージ | 個体値1位へのブレイク確定 | すべての個体へのブレイク確定 | |
ブラッキー | 7 | 107.35 | 108.43 |
エアームド | 5 | 108.22 | 110.18 |
ラグラージ | 7 | 105.82 | 107.77 |
ナマズン | 7 | 105.35 | 106.98 |
チャーレム | 4 | 108.27 | 108.59 |
※グラフ棒線 左端: 個体値1位へのブレイクポイント
※グラフ棒線 右端: ブレイク確定
ここまでの厳選の候補:ブラッキー、チャーレムへのカウンターのダメージが確定でブレイクする攻撃値108.59以上(9-9-15, PL49が1位個体)
ポイント4:メガニウムとチルタリスに勝てるか
Battle Rating(シールド2枚時)で目に付くのが、XL強化によりメガニウムとチルタリスに勝てるようになる点です。特に対チルタリスは個体値によって勝敗が変わるので、必ずチェックしておきたいポイントです。
メガニウムについては、シールドがなくなった後のハードプラントを耐えられるかどうかなので、HPが極端に低くない限りはXL強化したチャーレムが勝ちます。
チルタリスについては差込み次第のところはありますが、少なくともシミュレーション上は勝ちとなる個体を選ぶ方がよいでしょう。
XL強化は多くのリソースを投入することになりますので、この2匹とのバトルは複数のシミュレータで確認することをおすすめします。
ポイント5:総合ステータスの確認
攻撃値にパラメータを振りすぎると全体的なステータスが落ちるので、XL強化の恩恵を受けつつ一定の攻撃力を確保するのがポイントといえるでしょう。
まとめ
これまで検証した内容を表にまとめてみました。
Ivs | Level | CP | Attack | Defense | Stamina | Overall | ブラッキー | ブラッキー | チャーレムミラー | チャーレムミラー | チルタリス | メガニウム | 総合ステータス | |
個体値 | PL | CP | 攻撃値 | 防御値 | HP | 総合値 | 対1位 ブレイク |
全個体 ブレイク確定 |
対1位 ブレイク |
全個体 ブレイク確定 |
対1位 勝敗 |
対1位 勝敗 |
||
① | 15-15-15 | 41 | 1449 | 108.1 | 132.8 | 135 | 1939 | 〇 | × | × | × | × | × | × |
② | 15-15-15 | 43.5 | 1495 | 109.8 | 134.9 | 137 | 2030 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | × | 〇 | △ |
③ | 4-15-15 | 50.5 | 1496 | 105.3 | 140.7 | 143 | 2120 | × | × | × | × | 〇 | 〇 | ◎ |
④ | 7-11-14 | 50 | 1500 | 107.5 | 136.9 | 142 | 2092 | 〇 | × | × | × | 〇 | 〇 | 〇 |
⑤ | 9-9-15 | 49 | 1500 | 108.6 | 134.4 | 142 | 2074 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
②の個体は一見よさそうに見えますが、攻撃値に必要以上にパラメータを振っている状態となっており、耐久面で③~⑤の個体に劣ります。
③は1位個体ですが攻撃値が不足しており、かくとうタイプとしての役割を十分に果たしているとは言えません。ブラッキーなど主要なポケモンとの対戦を踏まえ、より有利な個体を選びたいところです。
⑤はステータスが攻撃寄りとなっておりやや防御力が落ちますが、主要なポケモンへのブレイクポイントをクリアしているため、総合的に見てXLチャーレムの理想個体と言えるでしょう。
チャーレム厳選の結論:
- ブラッキー、チャーレムへのカウンターのダメージが確定でブレイクする攻撃値108.59以上(9-9-15, PL49が1位個体)
- 上記の条件を満たす個体のうち、メガニウムとチルタリスに勝てる個体
- 攻撃値108.59以上が必要なものの、攻撃値に偏りすぎず総合ステータスが高い個体
以上、PvPokeを使用したチャーレムの個体値厳選の模様をお届けしました。最後までお読みいただきありがとうございました。
コメント